日々の事 25.07.20
2025.07.21
某所:新築工事
クリーニングが完了し、
ようやくいろいろお目見え。
お施主さんの意向と
私の設計手法、
この敷地を選んだメリットの
周辺環境も上手く取り込める
開口部の設計など
バランスを取りべき
所がノイズを感じることなく
違和感なく納まっている印象で
胸を少しだけ撫でおろしています。
周辺環境を切り取る
窓ベンチ。贅沢な場所です。
今は緑緑している借景の桜。
この借景があることで
お施主さんはこのすこし高台の
この敷地に決めたといっても
過言ではない。
残念ながら今年の春は
足場のシートがかかっていて、
しっかり望めませんでしたが
それでも優しいピンクが
窓一杯に広がっていることを
確認して感動すら覚えました。
窓から北面に見える
この借景は、南側からの
陽光を浴びて葉が光り輝き、
くっきりと鮮明に望める。
これが北庭・北側借景のメリット。
京都の神社仏閣の庭も
北庭が多く、上記の
恩恵を十分に発揮して
見る人を楽しませています。
この家は、南側の
陽光を取り込む窓と
北側の景色を切り取り眺める
窓がはっきりと区画していて
非常に明確な設計ができて
凄くバランスがとりやすい
周辺環境で設計できています。
通常は、南面に窓が有り、
陽光を取り込む、
遮る、
景色を望む、
風を呼び込む
という一つの窓に課せられる
用途が多岐に渡る。
そのため
窓の大きさや、庇の有無、
窓の開き方やガラスの種類、
プライベート感の有無
など、何かをすれば何かが
損なわれる状況になって
一つにフォーカスすることが
難しくなり、バランスを取る
ために、ある意味では
中途半端になりがちだけど
この家では割り切って
用途を決めて
窓の設計が出来たかなと
思っている。
窓で開いた分、外構工事では
視線を遮り、落下防止や
プライベート感、防犯、
自然災害対策などなど、
窓のデメリットになり得る
所のバランスを取るため、
そして折角の景観を阻害
しないように高さを気にしながら
木製フェンスで囲っていきます。
窓の設計の難しさは、
住まい手の都市社会への
開き具合の価値観が
実は大きくて、
(地方だと大胆に開ける
強みある!)
反面、作り手としては
陽光と影のバランスが
室内の温熱環境に大きく
寄与し、窓の位置や
大きさ、開き勝手の
バランスと光の取入れ方で
室内における目に見えない
居心地のような印象も変わり、
窓や窓辺で生み出される
場所の気持ち良さ
を住まい手に気づかれずに
生みたいから、
その意図の違う窓に求める
用途や価値観の相違で
大きく窓辺周辺の在り方が
変わります。
家造りは奥が深いけど
窓の設計は本当に
むずかしいなと
今でも思います。
なので今でも施主との家造りに
おいて窓の打ち合わせと
それにかける説明時間は
一番割いているように思うし、
そして最後まで姑の目で
不具合ないか、バランスを
間違えていないか図面を
チェックし続けています。
この物件は
お盆前のお引渡しに
向けて、まだまだやること
多いけど、100点満点とは
いかないかもしれないけど、
何しろ住まい手の価値感を
損なねないよう心地よく
住んでもらうために
やることやっていきます。
事務所工事
木工事が完了し、大工さんによる
家具の箱作りも大方。
玄関ドアも納まりました。
内装の珪藻土、建具、家具、タイル、
等々が日々、代わる代わる施工して
もらい、一歩づつ完了へ向けて
動き続けています。
勿論、お施主さんの
家造り優先でやってきた
事務所工事ですが
ようやく見えるところまで。
出来るのはうれしいけど
真夏に引っ越したくないな。。。
という不純な動機も産まれつつ
あるのを否定できないので、
あまりバタバタせず、ゆっくり
確実にお引っ越しの準備を
進めていく所存です。
本日は選挙。
やはり一強は良いこと無い。
少数与党で運営していく
形になれば、既存のしがらみ
だらけの民意など存在しない
この形は少しでも変わるのではと
思ってます。