理想の家と暮らしにたどり着くためにもっとも重要なことは兎に角にも
専門の不動産屋さんと建築士がタッグを組んで一緒に土地や中古物件を探すことが
何より重要だと思っています。
土地や物件を先に購入して建物をそこに合わせていくことも
可能ですが、地盤の良し悪しのリスクや暮らすための
ライフラインの費用、行政指導による擁壁の安全担保のための
費用、建てられる家の大きさや形が制限されてしまう建築法令、
中古物件においては、現状の建物の状態を調査して、その家の状態と構造で
理想の間取りや暮らしが予算内で実現できるのかなど、
本来、土地や物件を買う前に知っておかなければならない情報が
抜け落ちたまま、家づくりをお願いされる方も散見されます。
私たちは「家づくりを生業にしている建築士がそこに同席できれば気づけたのに」
が生まれないために、良心を持った専門の不動産屋さんと専門の建築士が
タッグとなり、理想の家づくりと暮らしを一緒に作っていくのが最適解だと思っています。
専門の不動産屋さんには、勿論、住まい手の人生を踏まえた融資計画や斡旋もお願いします。世の中は建売住宅のスキームで融資条件が定められている事も多く、注文住宅の時間軸や中古住宅購入+リノベーション費用とは合わないものが多く、目先の融資利率や条件で当てはまらないことも実は多々あります。
その他、融資実行が分割で実行できるか、売主との金額交渉も含めて大多数の方々が初めての事でわからない中、落とし所を一緒に模索してくれる「良心のある不動産屋さん」が仲間になってくれることが、私たちも含めてどれだけ心強く、私たちも何度も助けられたかわかりません。
私たち家づくりを生業とする建築士は、
その土地が理想の家づくり向いているか、その土地の特性や風や光を予測し、その土地にかかる目に見えないあらゆる建築法規や予算を思慮しながらアドバイスをさせていただくのはもちろんの事、時にはデメリットになるようなことも、こうすれば改善できるよ、もしくはそこを逆手にとってこういうのはどうだろうかというアイデアも提供できると思います。
こんなに高価な買い物なのに、二日三日で決断をしなければ
売れてしまうような現状のなか、私たちもどうしたら選択のための
情報をタイムリーに提供してあげられるだろうかと常日頃考えています。
残念ながら世の中には土地を売れば縁が切れるため、仮面をかぶった
演技をする良心のない不動産の方々が多くいます。
すぐに売れてしまう土地を先に購入するのも現状を鑑みて致し方がないことだけど、
本当の意味で理想の家づくりと暮らしを手に入れるには、融資計画で定めた
総予算から先ずは理想の家造り費用の概算を知り、
残ったお金でそれに見合う土地を探していくという逆算のスキームを
お勧めしています。
上記のスキームは
理想の家づくりにおいては、住まい手の要望を違和感なく落とし込め、
その周辺環境を生かし、周囲の環境に馴染む家づくりを標榜する
作り手の私たちにとっても、予算内で理想の家づくりをしていきたい
住まい手にとっても必要なスキームだと思っています。
正解もないし、100%満足は無いかもしれないけど、
出来るだけそれに近づけるように、手を差し伸べられればと思っています。