日々の事 25.10.15
2025.10.16
仮称 辻堂の家
木工事佳境。
造作工事のオンパレード。
この時期になると
すでに次の物件が
上棟していて、
この現場の大工さん、
待ったなし。
外観ファサードは
そとん壁の白と
米松の軒天と木製サッシ
断熱玄関ドアはオーク材。
米ヒバ材に、イエローオーク外部用塗料
を塗布し、色合わせ。
良いお出迎えができそうな
玄関になりそうです。
内部は、PB張りして
造作工事のオンパレード。
オンパレード過ぎて
なかなか公開できる
写真が撮れませんが
吹き抜けの窓周りを。
南面からの日射取得用の
FIX窓、
左手に見える東面から
朝日をスリット状に捉える窓、
右手の窓掃除用、通期循環用
の室内障子窓が吹き抜けを
構成しています。
スリット窓は1Fにも
つながり、きれいに朝日を
捉えそうで楽しみです。
それぞれ違う役割を
持たせながら吹き抜け空間
としての成立させます。
次の住まい手さんには
本当に申し訳ない
気持ちでいっぱいなのだが
少しお待ちいただき、
弊社大工、かすがいの
得意技、勝負ポイントの
造作工事を集中して
やってもらいます。
せっかちな自分の性格、
急かしてはダメだ、
いいことないぞと
思いながら、次物件の
お施主さんの顔も浮かび、
ムムムという
声にならない声が
出てしまいます。。。
私たち工事側の人間も
ようやくこの段階になると
いろいろ完成を見越して
段取りすることができます。
住まい手さんとも
この時期から
引っ越しの日取りは?
外構含めての完成は?
保育園のタイミングは?
登記のタイミングは?
とお話させていただきます。
私たちの仕様だと30坪前半
の大きさで大工さんは一人で
約4か月の木工事期間を
経て、木工事完了に
たどり着きます。
(木工事完了後、仕上げ工事
に約1.5月から2.0か月後に完成)
ということはこの物件、
外での作業などありえない
酷暑の真夏を乗り越えて
ここにたどり着いた
ということ。
最近の夏は暑すぎて
どうしても施工のペースが
落ちていくので、工程が
読みづらくなっています。
正直、2022年
からの夏の暑さは
外で作業できる
レベルではなくなってる。
夏の工程があることで
比較的、人類の中でも
暑さに強い部類と思う
大工さんでも
今年は本当に弱音が
出ていました。
この現場の大工さんは
より暑さに、体力のある
大工さん(私と同い年だけど
体の鍛え方が変態レベル)
だったから、この遅れで
済んだけどというのは
肌で実感しています。
お施主さんにも
都合があり、
せっかちな自分も
スケジュールは守りたいので
もちろん理解はできるけど
真夏に外で木工事作業すると
これは無理だぞ、倒れるかも
と身体が反応します。
私も昔からスポ根で育って
来てますが、建築自体がより
本当にキツイ仕事になってきた
感を肌で、そして出る汗の量で
実感します。
弊社の大工さんとも
真夏の屋根のない上棟は
二日で行おうとか
工程やスケジュールも
夏をまたぐときは
長めに取ろうとか
色々試行錯誤しています。
来年の夏、
そもそも個人的に
パリピが騒ぎ出す夏が
大嫌いですが、
みんながうまく立ち回れる
ような策が取れると
いいなと思っています。
山西の家
海と山に挟まれた
住みよい場所にまた1棟
上棟を迎えました。
空が広い。本当に良い環境。
窓から海が見えるように
ギリギリ見えるかな、見えないかな
と計画していた窓。
ギリギリ見えた!
こちらもまた4か月かけて
木工事を進めていきます。
会合
根っからの人見知りで
あまり酒の場が好きではない
私は、今まで色々避けては
いたのですが、個人や
メーカーの勉強会、
友人との話で知見を得ていた
分野で 最近、複雑化している
換気や空調の効果を
数字の根拠を持って施主に
提案できるようにしようと
会合に参加するように
しました。
皆さん建築熱、熱い。
自分の中で
あやふやなものが
数字という根拠で出てくると
納得せざるを得ないし、
温度などの上では
数字は正直だと思うので
本当に参考になります。
と同時に、昨今の家づくりは
数字で家の性能値レベルや
高気密高断熱の評価が決まる
ので、それが直接、良い家の
評価となっている側面があって
それはいつも違うだろーと声を
大にして言いたいと
思っている。
目に見えない居心地や、
人それぞれ違う趣味嗜好、
今の時代に住宅に求められる
気持ちの良い明るさや風の抜け、
温度感や、日本人のDNAに
あるであろう陰影礼賛の
精神性などはやはり数字とは
別次元だと思っています。
設計者として施工者として
目を養い、手を練り、経験則を
自分の中で方程式として
建築に落とし込むことで、
決してお金では買うことのできない
居心地の良い場所を家の中に
作ることができます。
この部分は、一朝一夕では
決して得ることのできない
ある意味では特殊能力的な
分野。
建築や家づくりには
この分野は決して
廃れることはなく、
いつの時代も普遍的な
美しさとして残ります。
この部分を大事に大事に
育てながら、数字ともちゃんと
折り合いをつけていく家づくりを
していこうとより強く思える
会合でした。
根っからの人見知り、
インドア、会合キライ
ではあるので、井の中の蛙状態に
ならないようにしっかりアンテナは
張り巡らせていきます。