日々の事 25.04.15
2025.04.15
先日、ふと思い立ち
用事のついでに30分ほど
旧神奈川県立近代美術館へ寄り道。
藤沢に引っ越してきた時に
訪れた以来、20年ぶり。
有志の運動、
鶴岡八幡宮の買い取りの
お陰で取り壊しの危機を逃れ、
改装を経て、今に残る
坂倉準三さん設計の建物。
大谷石の一階部分の様相はそのままに
リニューアルされています。
コルビジェのシグネチャーの一つ、
軽快なピロティ。
一瞬だけ、陽光が差し、
この白い天井に水面が映ったのを
みれた。
不規則に揺らめく文様が
二度と同じにならない光の形。
デザインしていなくて
素敵でした。
RCのコの字型手摺。
シンプル。
コストも安い。
耐久性高い。
座れる実用性。
世の中には使えるデザイン
と使えないデザインがある。
費用対効果高く、
実用性や機能性を兼ね備えた
デザイン→使える
費用対効果低く、
表層的で恣意的で実用性、
耐久性がないデザイン→使えない
この手すりは使えるデザインの代表選手のよう。
しかも「留め」に。
RCコンクリート造で。
木造の場合、よくある納まりですが
RCでは珍しいし、わざわざ
これをRCですることで、座ることを
想定し、荷重を負担し合ってる形に
したんだろうと思う。(妄想です)
ピロティ全景
鉄骨のフェンスが見える。
よく見ると区画と中桟の鉄骨のフラットバー
のサイズとリズム感が違うのに気づく。
この鉄骨の既製品サイズのフラットバー
を用いたデザインも好き。
デザインデザインしてないのだけど
やっぱり野暮ったく
ならない工夫はそこにはあって
同じ区画で1本と2本。
かつ
斜めから見ると区画の鉄骨は12×45のFB、
上1本・下2本の鉄骨は6×20の華奢なFB。
この差があるから
野暮ったくならず、独特のリズム感も
あって、単純な形なのに、目線が抜け、
空間を柔らかく区切り、動線を
仕切る役割を果たしている。
先ほどのRCの手すりと同様
シンプル。
コスト安い。
耐久性高し。
実用性。
をデザインのみで実現してる。
使えるデザインです。
高い材料使って難しい納まりで
職人の手間をかけたのに
耐久性低く、実用性に
乏しいデザインが世の中
にあふれてる中で、
やっぱりいつの時代も
通づるのは普遍的な美しさで
ロングライフデザインで
使えるデザインだからこそ。
戦後のモノがない時代に
建てられた背景もあり、
限られた予算と限られた材料で
構成していくとうことも
あっただろうけど、
時代を超えて良いものは
やっぱりいいなと改めて
思います。
使えるデザイン、好き。
この美術館のシグネチャー。
手摺と階段。
まるで仏さんをサワサワすると
ダメなとこが良くなるみたいに
さわさわ、サワサワ、触触。
手摺はやっぱり握りやすいのが
よいよ。
相変わらず素敵な手摺と
階段の在り方です。
ぜひ実物を。
新事務所工事
外壁の下地、防水をしながら、
屋根断熱工事のために
下地を組み、あまり景色は
変わらないけど順調に進んでます。
この場所で、クライアントの
家でどれだけ使えるデザイン
を造れるか。
この場所は実験出来るので
実験するだけしてみる所存です!
まだまだ周辺が騒がしいけど
少しづつ、少しづつ、
レールが伸びてきて
近い未来を望める
ようになっている。
早歩きでも牛歩でも
歩いていきます