日々の事 25.05.23
2025.05.23
暑い季節が到来です。
人が何処かしこもいらっしゃる
季節です。
ってなるとどこかへ行く場合、
俄然、朝が早くなり、
出来るだけ落ち着ける環境で
足を運びたくなる。
そして可能であれば
家に引き込みたくなります。
めんどくさい人間性だと
自認しつつも、年齢とともに
その気が増すばかり。
いつか自分の家を
ちゃんと作った暁には
何処へ行くのも、結果
自宅が一番落ち着くし、
一番居たい場所だなー
って思いたい。
かすがいに
ご依頼をされている家々でも
そう思ってもらいたい一心で
日々の生業に向き合っている
気がします。
かすがいでは
ご依頼を頂いて、まずはヒアリングと
同時に住宅調書なるものを
施主にご記入頂いています。
そこには過去の住宅遍歴や
生まれ育った住環境を聞く
項目から始まります。
全10ページに及びます。
書き込むと結構大変な作業で
ご夫婦それぞれで書いてもらうと
当人同士もびっくりする要素を
それぞれが持っていたり。。。
不思議なもので人は、育ってきた
住環境で、知らず知らずのうちに
刷り込みが生まれ、言葉にならないけど
潜在意識で落ち着く環境が人それぞれ
あると思っています。
それは、家の佇まいや
空気感、天井の高い、低い、
明るい暗いの好みなど
多岐に亘ります。
ヒアリングしても言葉にならない
感覚のようなものをこの住宅調書
を書いていただくことで、施主自身
も思慮の整理が出来、作り手側も
感じ取りながらプランニング
の際に落とし込んでいきます。
ただ、それをお聞きしたとはいえ
全てを取り入れるわけでもなく、
構造や温熱環境を整えるため、
予算のため、
聞いていてオーバースペック
だなと思うようなところは
コントロールさせて頂くのですが、
家造り側の経験則でこの感覚を
持っている人はきっとこういう
環境が好きなはずだという
こちら側の提案に向かっていく
ためのヒント集めみたいな要素も
多分にあります。
いかがわしいコンサルみたいな
ビジネスパーソンがよく使う言葉で、
「点と点を線にする」という表現が
ありますが、
施主の思慮の点と点を繋げる
みたいなことをいつもしている
気がしています。
この作業をしていると
面白いことに
「知っている」と
「わかっている」は
違うんだと認識します。
簡単に言うと
手や頭・体を使わない
実体験に基づかない知識
→知っている
手や頭・体を使って
実体験に基づく知識
→わかっている
なのかなと。
手や頭・体を使って
実体験に基づく知識は
言い換えると「経験」。
いくらデジタルやSNS、
ユーチューブなどで
表層的な知識を入れても
経験や体感したものには
やはり及ばないので
最終的にはわかっている人
が整理すべきです。
私も50代が見えてきました。
頭や思慮がガッチガチになって
頭でっかちな、自分の価値観を
押し付けるような建築屋には
ならないぞと勝手に決めていますが
わかっている人の線引き
と
押し付ける価値観の線引き
今回のこの線引きは
これはどっちなんだ
と自問自答しながら、
生業に向き合う日々です。
アフターメンテのお家にて
暑くなって人が外に出始めている
この季節、
植物たちも我先に!と言わん
ばかりの生命力を誇示し始めます。
落葉樹
常緑樹
シダ植物
グランドカバー
がそれぞれにそれぞれの
形で。
お庭を持つ家の主たちは、
みなこの時期の植栽の
生命力や息吹を感じている
と思います。
そんな、生命力のなかで
控えめだけど、強力な
生命力と繁殖力で領地を
広げるやつがいます。
クラピア(イワダレソウ)
です。
土の中に根を生やさず、
地表面に根と枝を伸ばし
ていくので、芝生に変わる
グランドカバーとして
かすがいでも植えている
代物です。
景石の壁を這って伸ばし、
砂利の上も、大谷石の上も
お構いなし。
和名の由来の通り、
岩の岸壁をまさに
垂れるように這っていきます。
しかも、健気な白い花を
咲かせながら。
個人的にすごく好きな花。
車で踏んでも、人に
踏まれても生命を、
領地を拡大し続ける
しぶとさも併せ持ち、
ぺりぺり簡単に
剝がすこともできるので
伸びすぎたら遠慮なく
剪定していきます。
地表を覆うので雑草避けにもなり、
上手くコントロールできれば
こんな便利な奴はいません。
この子はほっておきますが、
その他のアオダモやカエデの
枝が伸びすぎたので、この後
弊社の植木屋さんに入ってもらい
剪定をしてもらい、
すっきりしました。
今回は5年点検前のお伺い。
子供たちも大きくなり、
建築当時はまだ必要では
なかった個室を求める年ごろに。
計画上、個室が必要になったら
分けましょうねの間仕切りの依頼で
お声がけ頂きました。
子供たちの成長と共に
家の成長に目を細めながら、
自らのおじさん成長ぶりを
痛感するのがアフターメンテ。
価値観を押し付ける、方針を
曲げない頭でっかちになるつもりは
ないけど、自戒を推し進める
よい機会にもなっています。