親御さんの広い土地を
分筆する計画からご相談頂きました。
ご夫婦共々、服飾関連のお仕事で
独特のセンスをお持ちだなという
印象でした。
打ち合わせを重ねるごとに
お互いに「変態ですね」という
誉め言葉をお互いに投げかけ、
士気を上げていくという形でプッシュ
し合い、最終的には「変態の引率者」
という称号を頂いたのを思い出します。
まるで建築を生業にしている
方が出来ること、図面上で同じ景色を
3Dでイメージし合えることで、
普段では窓の設計などは
こちらに任せていただくのですが、
様々な部分で協同作業をしていき
今までの自分の設計手法ではなかなか
表現できなかった形になったと
思っています。
着工後もよく現場に来ていただき、
現地でデティールの打ち合わせを
しながら進めていくことで、
複雑な色味のイメージの乖離を起こさず
進めていけました。
外構工事は土木業を営む親御さん、
外構工事を営むお兄さんのお手伝いもあり
コストを抑えながら進めていけたのでは
と思っています。
まさに協同作業の賜物。
完了後は、ご友人たちと
お家と庭を使いながら
BBQの写真を見せてくれました。
ようやく人も土地に根付いてきた。
この家が実家として育っていく
子供たちはどのような感覚を持った
大人に、自我になっていくのだろう。
個人的には
買って壊れては捨てて買いなおす
という現代のルーティーンではなく、
木や自然素材は、メンテナンスを
正しくすれば長く大事に使えて、
体に優しくあたたかいという肌感覚を
忘れず、まずは自分で手を入れてみるという
生きる力の根源のような行為が
自然と生まれてくれればと思っています。
これからもこの家を協同作業をして
暮らしの形の基礎を造ってきた仲間として
お付き合いしていきます。