土地を購入されてからご相談頂きました。
アメリカでの勤務のご経験もあり、
その際に住んでられた借家の雰囲気や
望む暮らし方、すでにお持ちの家具の
写真などをご自分でまとめられた
わかりやすく資料を携えて、
熱量を真っすぐに伝えて下さった
のを憶えています。
都市型の家の在り方ではなく、
当初から、緑と家が一体化している
暮らしをご所望され、四人の子供たちが
のびのびと暮らせ、大人二人の生き方も
体現できるような住まい手のご要望と
価値観をPLANに落とし込んでいく作業は
本当に苦しかったのを思い出します。
ただそのPLANが自分でもびっくりなほど
本当に上手く整い、ご主人から
「天才ですね。。。」の一言。
凡人の私が天才なんて言葉を
使われたのは勿論初めてのことで、
その時、数社同時に検討されていた
状況の中で選んでくださったときは
出会うべくして出会ったと
神通力みたいなものがあったように
思います。
やんちゃ、かつ冷静な判断力と
豊富な知識と語彙力を併せ持つご主人、
笑顔でその打ち合わせを見つめる奥様、
いつもこうやって過ごされてきたんだろうなあ
と想像しながら詳細打ち合わせを進めました。
イメージをお互い言語化しながら、
時には、有名建築家の自邸を
イメージしながら共通の
落しどころを探っていくような
打ち合わせでした。
着工してからも
ご主人からのお声がけの中に
得意の言葉を上手く操り、的確なご指摘に
はっと我に返るような言葉たち。
色々、救われました。
施主検査の時の子供たちの
思い思いの過ごし方や、動線や声を聴くと、
答え合わせが少しできたような気がしました。
この家では使い方を限定しない
居場所がたくさんあって
大家族ならではの暮らしの形に
なっている。
居場所が沢山ある家はそれだけで幸せだ。
いろんな感情を社会で受け取り、素に
戻る帰り道であの場所でゆっくりしようと
思える家や場所があることがどれだけ
救われることか。
植栽はまだまだ小さいものばかり。
これからどのように緑と家が一体化
していくのかは経過を見守りつつ、
彼らの過去の住環境から育まれた
センスに依る彼らなりの暮らしの形も
どのように変容していくのか、今から
とても楽しみです。