私が、住まい手である

お二人の年齢の頃は

心技体、すべてがまだまだ

ふらふらしていた

時期でした。

 

その点、お二人は初見の際から

好き嫌いをはっきり伝えてくれ、

お若いのに達観され、

ご自分たちの職業柄、

モノづくり側に

従事されていることも

あるのでしょう、

日本人のほとんどが

「家を買う」側の人間である中、

「家を建てること」しか考えられない

という言葉が印象的でした。

 

土地に関しても、ご自分たちで

しっかりご自分たちのモノサシに

引っかかる土地を見つけ、

確保し、私たちにしっかり

意思を示してくれました。

 

そこは分譲地の一画でしたが

桜が借景が望める場所。

 

周囲は建売住宅然の多い中、

若き夫婦の生き方を示すような

昔ながらの日本民家の

趣きがある佇まいが

異彩放っています。

 

住まいの中、

暮らしづくりにおいては、

家事同線・共働きであるご夫婦の

生活にあった効率的な間取りの中に、

家中にどこか一息つける

【居場所】を散りばめた。

 

打ち合わせを重ねるごとに、

お二人の 好き が明確になっていき、

明確な着地点をイメージしながら、

スムーズに進められた印象です。

 

今後、きっと周囲の環境は

また変わっていくだろうけど、

2人の生き方を体現したこの家の

在り様がお二人の好きな居場所

として、あり続けてくれればと

願っています。

 

これからも

メンテナンスで

経年美化していく家を観察

していきます。