旧知の仲間の実家を造らせて頂きました。
70代ご夫婦の家。
年代的には終の棲家となるであろう。
元々、昭和50年代前半築の住まいに住んでらっしゃり、
その家は、ほぼ無断熱で外と中の外気温がほぼ同じで、
吐息が白くなってしまうような温熱環境。
外でも家の中でも着ている装いが一緒という
御年を召した身体に良いはずがない環境。
奥様が大病を患い、少し落ち着いたのを機に
いよいよ待った無しで計画を開始した。
主眼は、
何より温度変化の少ない家の中の温熱環境づくり。
合わせて出来るだけ平屋で計画を進めていくこと。
もちろん
目に見えない居心地の追求も忘れず、
将来的には息子さん夫婦が移り住めるよう
ロングライフデザインの素材を多く採用し、
どの年代も日本人であれば
「こんな家、なんか良いな」と感じれる
空気感を目指した。
「暖かくてほんといい家」と体感で
おっしゃってくださっています。
この言葉を頂くたびに、私のかかりつけの
医者から言われた言葉、「熱は薬」という
言葉を思い出します。
この家では自家消費のために太陽光パネルを載せ、
エネルギーの循環を肌で感じ、熱のありがたさを
数値でも実感されている。
貴重な老後の資金を使うという
一端を担ってしまったのは否めないが
個人でも色々応援して下さり、
この方たちの目が黒いうちは何とか
懸命に生きようと思う次第です。