特にご要望がない場合、私たちは無塗装の杉の無垢材フローリングをお勧めしています。
理由は、何はともあれ足裏感と包容力。
湿気の多い季節は、ペタペタせず、サラッとし、冬場はどの素材よりも暖かく、柔らかい足裏感。とにかく、気持ちが良いこと。
杉独特の甘い木の香りも相まって、どんなインテリアにも似合ってしまう包容力を持っています。
私たちも、オープンハウスなどで、一日中立ちっぱなしの時に痛感するのですが、杉の家とオークなどの硬い床の場合の足の疲れが全く違います。
価格も、弊社では熊野杉といわれる雨の多い産地で取れた杉をメインで採用していますが、節や源平といわれる杉独特の色味が嫌じゃなければ木目が従順にもかかわらず、良心的な価格で採用できます。そんなメリットだらけの杉にもデメリットは有り、傷がつきやすく、汚れやすい事でしょうか。
でも、傷がついても杉の場合、紙やすり等で削れば目立ちにくく、簡単に補修ができます。併せて、二年もすれば、適度に日焼けして飴色に経年美化していき、傷や汚れが目立ちにくくなります。
お子さんが小さいときによく生まれてしまうその傷も、柱に背の高さを成長の記録として残してきた家族の歴史の様に家族の語れる物語がそこにあると思えば、愛らしく思えます。
また表面の汚れは、キッチンスポンジや、掃除用のスポンジを用いて専用のクリーナー材を用いながら気になる部分を容易にメンテナンス出来ます。(しっかりご指南致します)
ご要望で、広葉樹のオークやセン、針葉樹だと桧やパインなどの無垢材も勿論、求めれる雰囲気に応じた杉以外の床材を選定していくとは多くありますが、総じて無垢材の使用をお勧めするのは、ご自分で綺麗に保てるメンテナンスができるから。
厚みが平均で15㎜の厚み。
先述の紙やすりで削っても15㎜は削り切りません。
その家に住み続ける限り、建材の床のようにボロボロと剥がれることは在りません。
足裏感の気持ちよさや、コスト、メンテナンスのしやすさ、雰囲気など色々な側面から貴方の家と相性の良い床材を見つけていきましょう。
弊社の建築実例の多くでは、珪藻土を使用しています。理由は、珪藻土の持つ調湿性能と補修のしやすさです。
光の印影によって、塗り壁独特の雰囲気が空間に付与され、静電気を生まないため、埃が付きにくく、調湿効果や消臭効果によって、空気が凛としていきます。
何とも言葉では表現しずらいのですが、「空気が凛とする」が表現としてしっくり来ます。
たった塗厚2mm程度の内装材ですが、クロスの空間に比べて人が気づかない間に、過ごしやすい室内環境を作ってくれます。
ただやはり、土なので、爪で削れてしまうし、角にぶつけると欠けたりします。
世間では、それを防ぐために珪藻土に樹脂を混ぜ、表面を硬化させていくような珪藻土という名前だけの珪藻土も存在します。樹脂を混ぜると当たり前ですが、珪藻土のメリットである調湿性能は失われ、似て非なるもの、本末転倒な素材も。
私たちの使う珪藻土は、100%自然素材のものなので、珪藻土と水を混ぜて塗っていくだけ。お引渡しの際に、補修用珪藻土をお渡ししているので、それを水と混ぜて塗るだけで簡単にきれいに
補修できます。(しっかりご指南致します)
内装材に関しては、人が住む以上、長い目で見てメンテナンスのしやすさもかなり重要項目。
コストは、クロスの3倍程度。
それを鑑みて、弊社ではよく人が集まる場所に採用されることが多いです。
ロングライフデザインの要素を併せ持った珪藻土は是非お勧めしたい内装材です
他には、同じ調湿効果をもった、漆喰も使用します。
天井材には、落ち着いた雰囲気を空間にもたらせてくれる米松の羽目板なども採用しています。
もちろん、一般的に壁紙と言われるクロスも、弊社ではよく採用します。
私たちは、宗教の様に自然素材しか使いませんとは言いません。
壁紙のメリットは、とにかく張替えの容易さと汚れに強く、コストが安価なこと。
お子さんが小さいうちは、壁に手が付いたりすることで壁が良く汚れます。
私たちも和紙クロスなどの自然素材系の壁紙を使っていた時代がありましたが、メンテナンスでお伺いした際の壁の汚れに閉口させられたことが何度かありました。
和紙クロスや自然素材クロスは、当初の雰囲気は良いもの、拭けないので、どうやっても汚れは取れないのです。クロスでも、マットな質感で珪藻土や漆喰とも相性の良いクロスを私たちで選定し、ご提案いたします。
要は、素材選びは、適材適所だと思っています。
家での暮らしは30年40年50年にもなります。
宗教の様に自然素材に傾倒するのではなく、時代やステージとともに変容していく暮らし方や家族構成に合わせてメンテナンス性のしやすさ、張替えや補修のしやすさで素材を選ぶことはすごく重要な要素です。
素材選びでは、私たちの経験や知見に基づき、メリットデメリットをそれぞれの素材においてご説明ご納得いただきながら、決めていきます。
私たちは、その違う素材達の相性を見極めながら、ひとつの空間として求められる雰囲気を保ちながら整理をしていくのを得意にしています。
雰囲気、コスト、メンテナンス性、性能など、あらゆる側面から肩肘張ることなく、身の丈にあった素材を選定してもらえるようアドバイスさせていただきます。
私たちが家づくりの外装材において、モノサシとして重視しているポイントは、個人の住宅とはいえ、地域の景観を作る意識を持ち、それに違和感なく馴染む素材を用い、かつ素材自体が長寿名で補修や部分的な交換などができるものとしています。
100%自然素材で完全防水の外壁材。
シラス(天然のセラミック素材)を主原料に気泡を多く含むため、調湿性能があり、素材の特性上紫外線や雨水による退色や劣化が起きにくく、防水性能も劣化しずらいので維持管理費用を大きく削減してくれます。
基本的にはメンテナンスフリーの素材で、自然素材なので風合いに多少の劣化が見られますが、高い基準で外壁材に求められる性能を持つ素材です。
そとん壁の質感は、人工物には決して表現できない本物の質感を持ち、それを左官屋さん手塗りで仕上げていきます。
デメリットは、初期費用が高いことでしょうか。
ただ、耐用年数やメンテナンス性の良さで20年30年スパンで考慮するとよく街で見かけるサイディングやモルタル+塗装の維持費用と比較しても容易に元が取れます。
景観に馴染む素材であり、ランニングコスト・メンテナンス性・風合い・性能などあらゆる側面で優れたロングライフデザイン素材だと思っています。
屋根材は、ほとんどの物件でガリバリウム鋼板を用いて屋根を葺いていきます。改良型のSGL鋼板も良く使用しています。
一般的には25年から40年の長寿命で軽い素材での耐震性、素材の耐久性、価格面において非常にバランスのとれたコストパフォーマンスの高い屋根材と言えます。
海の傍などの塩害が想定される場所では、フッ素加工品や自然鉱石を鋼板上に塗布してある屋根材を用いたり
選択肢のバリエーションも多いです。
貼り方も竪ハゼ葺き、横葺き、瓦棒葺きなど家の佇まいを決める屋根の形に合致した貼り方が選べ、外壁などにも使用しています。
高い防水性能が必要な部分なので高い板金技術とモラルがそこに加われば、選択肢はほぼ一択になります。