私たちは、肌に触れる部分に出来るだけ自然の素材を用い、
日々の暮らしの中で傷がつきやすく、修繕は必要だけどちょっとした手間暇とコツで永く大事に使え、
経年劣化ではなく、経年美化していく家が好き。

極端な利便性や設備を用いた人工的な快適性よりも、出来るだけ自然の陽光や風を上手に利用し、
目に映る緑や、肌に触る風の揺らぎを日々感じ、足りない部分は設備に頼りつつも
日本の四季を存分に享受出来る暮らしが好き。

資産価値、ステータスに価値を見出すのではなく、自分の居心地を知り、流行りや廃りに流されず、
家族の在り方、住人の在り方が変化しても、柔軟に内包出来る余白を持ち、
いつの時代も変わらない日本人らしい暮らしに寄り添った、
普遍的で機能性を兼ね備えられた美しさがある家の在り方が好き。

そこで日々暮らすことで現代の慌ただしくて世知辛い世の中とちゃんと対峙出来るよう、
心身の健康を整えられ、家に居る時くらいは自分達のリズムで衣食住を楽しみ、
絶対的な安心感に包まれた「素」の居場所として日々の家時間を住み熟せる家。

そんな家と暮らしを造る為に、私たちは社会に存在していると思っています。

ただ、今の世の中、残念ながらそんな家づくりは現実的なお金と正面からがっぷり四つに向き合う事が必須になってきています。時にはお互い、耳から煙を出しながら、必死になって優劣をつけ、泣く泣く取捨選択をしていく事もあるでしょう。そんな時は私たちの経験を是非頼ってください。

私たちの家づくりの歩幅は、あなたの家と暮らしの価値観に寄り添いオーダーメイドでそれらを作る事。
そして、そこに違和感なく私たちの培った要素を入れ込み、より良く昇華させていくこと。

決して作り手側の価値観や主観を押し付け、預かったお金を自己満足の作品作りの為に盲進・散財する事は有りません。加えて、今現在見えていなくても、暮らして初めて感じられるだろう目に見えない居心地を生む空間を、あなたと並走し、時に先陣を切りながら一緒に模索する作業を惜しみません。

私たちは建築設計事務所であり、工務店でもある二面性をもっています。
設計士として、今の時代にあるべき温熱環境デザイン、耐震デザインのベースはしっかり担保しながらあなたの居心地を疎かにせず、必要なお金に道筋をつけ、各デザインを整理しながら丁寧に落とし込んでいく。

そして、工務店として共同作業で生み出された賜物を設計士の目線で現場に過不足なく落とし込み、
求められる家の性能と施工の品質を正しく二次元から三次元へ構築していきたい。
非効率でも設計施工の分業をしないのは、家づくり全体を通して、血の通った仕事をし、
50年後に残る仕事をしたいから。

これは、わたしたちの矜持であり、私達の生業の本質です。
そんな家づくり、暮らしづくりを共にしていきたい方々と今もこれからも歩んでいきます。